不妊の原因って、夫側と妻側のどちらにあることが多いんだろう?
知り合いの医者に聞いたら「うーん、半々くらいじゃないの?」との回答。
その時は医者のくせになんでそんな曖昧なんだよ、と思ったが、
正直どちらが主な原因か断定しづらいケースも多いそうだ。
医学的な問題以上に実態を分かりづらくしてるのが「夫の非協力」。
ここにきてようやく男性不妊への理解が高まってきたが、
意外と最近まで「不妊は女の側の問題」という風潮が世間一般に強かった。
奥さんの検査でこれといった異常が見つからず、
「念のため」と旦那に検査を勧めても、断られることが多かったそうだ。
男の側が原因の不妊もあること自体は、昔から知られてたはず。
「子宝の湯」に行ったら三助(背中を流す人)そっくりの子供を授かったとか、
子宝祈願に来た奥さんを坊主や神職が「珍棒」を駆使して治療したとか、
真偽はともかく、その手のエロ話は昔からあったみたいだし。
これは想像だが、産科の医師自身が不妊の女に直接「治療」するケースも、
それほど古くない時代まで残ってたんじゃないか、という気はする。
さすがに、俺の学生時代のバイトまで一般的だったとは思わないが。
俺がやってたのは、簡単に言うと不妊女性への「種付け」。
夫の精子に問題があるときの不妊治療法に「非配偶者間人工受精」があるが、
その自然受精版か。医者や病院とは無関係だから「治療」じゃないけどな。
かなりマズい部分があるんで、業態とか俺がスカウトされた経緯は割愛するが、
俺が選ばれたのは「没個性」だったからだろうな、と今でも思ってる。
身長170センチ台後半の中肉で、ルックスや運動神経は並の上くらいだった。
眉が妙に太いとか、頭が大きいとか、脚が長いといった特徴のないのが特徴。
大学の偏差値はやたら高かったが、遺伝のおかげかどうかは知らない。
父方、母方の親族とも極端な体格、遺伝性疾患、精神障害の持ち主はいない。
基本的にインテリの家系だが、一族に音楽とか特殊な才能がある人もいない。
本人は健康で血液型もありきたり。平凡な一族に生まれた平凡な男だと思う。