この人とは会うつもりはまったくありませんでした。
最初の返りから反応が悪く、向こうもまったく素振りを見せなかったからです。
奈央さんは何気ない日常の出来事やちょっとした相談なんかを送ってきていて、僕は正直、あまり真剣に返信していませんでした。
それが逆にがっついてる印象を与えなかったのみたいで、僕に気を許してか、3ヶ月くらい経ったある日、
「会ってくれませんか?」
というメールがきました。
ちょっとビックリしたのですが、ネカマや美人局っぽい感じでもなかったので会いに行きました。
当日、待ち合わせ場所に行くと、ロングヘアーをクルクル巻いた黒髪にピンクのブラウス、白の膝丈のスカートと清楚で上品な感じの女性が来ました。
左手の薬指には結婚指輪が光っていましたが、
「今日は泊まりで大丈夫なので」
と顔を赤らめながら言いました。
そのはにかんだ感じの笑顔がキュートで、とても34歳には見えない可愛らしく、思わず抱きしめたくなるような女性でした。
こんな女性が泊まりで、なんて思いましたが、メールのやり取りから大体察しました。
僕はオシャレな個室居酒屋に誘って軽く飲みました。
少し酔ってきたところでラブホテルに入りました。